常総ソーラー業者正式手続き主張 市の対応に訴訟も
日刊スポーツ?9月15日(火)2時19分配信
常総市若宮戸地区のメガソーラー設置現場は一部パネルが撤去されて仮堤防を作るために大量の土が運び込まれていた(撮影・三須一紀)
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茨城県常総市を流れる鬼怒川の大規模水害で、川岸に大規模太陽光発電所(メガソーラー)を建設した民間業者が砂丘を掘削したことが氾濫に与えた影響が取りざたされてる問題を受け、建設業者が14日、日刊スポーツの取材に応じた。建設業者社長(45)は、掘削した砂丘が「自然堤防」という認識がなく、同市側に対し、正式な手続きを踏んでいることを主張した。
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鬼怒川の氾濫により大きな被害を受けている常総市若宮戸地区の住民が、「自然堤防の掘削が原因」と主張している。掘削工事が始まった昨年3月から一貫して反対してきた住民は被災後、涙ながらに訴えていた。
この問題を受け、メガソーラーを設置した建設業者の社長が取材に応じ、高さ2メートル、長さ150メートルあったとされる砂丘に対して「自然堤防だという認識すらなかった」と話した。
社長によると、13年末に土地を購入した際の重要事項説明書にも「自然堤防」という記載はなく、「見た目でもいわゆる砂の丘で、川の氾濫を食い止められる堤防には見えなかった」と振り返った。高さについても当初から「中央部分は2メートルもなかった」と話した。
社長や地元住民によると、「自然堤防」一体には1964年(昭39)の東京五輪前、もう少し高い丘だったという。社長は「東京五輪の(環境整備の)ために、その砂を売ったと聞いた。その後たまたま残ったのが、あの部分に残ったみたいです」と話した。
メガソーラー設置のため、14年1月から工事を開始。同年3月ごろに地域住民から砂丘掘削工事に対する反対の声が上がり、同市と国交省下館河川事務所の担当者と協議した。河川事務所側からは、住民の不安を払拭(ふっしょく)するために土のうを積ませてほしいと頼まれ「快く許諾した」という。
その際、河川事務所からは「土のうを積まなくても、こちら側からは河川の水は来ないだろう」と言われ、さらに担当者から「自然堤防」という単語は出てこなかったという。
同じ時、同市職員から事業に関する届け出を求められ、社長はそれに応じ、正式な手続きを踏んだという。同市役所の都市整備課によると、1万平方メートル以上の土地の切り崩しを伴う場合は市の「開発許可」が必要。社長によると今回掘削した砂丘は7000平方メートルで申請の必要はなかったため、事前の届け出はしていなかった。掘削はしなかったメガソーラー設置面積を含めると約3万平方メートルだという。
社長は「近隣住民の不安も分かるので、土のうは4メートルでも5メートルでも積んでもらっても良かった」と振り返る。ただ、同市の対応には納得がいかない。「打ち合わせもして、正式な手続きを踏んだ。それなのに市の人間がテレビで、砂丘の掘削が越水の原因だと言っていた。このままでは訴訟も辞さない」と話した。【三須一紀】
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