【next生物】洞窟の魚が目を失ったのは、省エネのためだった ID:WxCY7iHt

1番組の途中ですがアフィサイトへの転載は禁止です:2015/09/18(金) 22:38:36.08 ID:WxCY7iHt

洞窟の魚が目を失ったのは、省エネのためだった

 洞窟の暗闇に暮らす魚、ブラインドケーブ・カラシン(学名Astyanax mexicanus)は目を持たない。なぜ目を失ってしまったのか、その答えを示唆する研究論文が発表された。

 スウェーデン、ルンド大学の研究チームによれば、食料の少ない洞窟にすむこの魚はエネルギーを節約する必要があり、視覚を失うことがその大きな助けになるという。

 研究チームは目を失った魚の謎を解明するため、まず米国テキサス州やメキシコの川で暮らす仲間を調べた。これらの魚には十分な視力がある。

 次に、飼育されているブラインドケーブ・カラシンを入手し、視覚によるエネルギー消費量を測定。具体的には、目と脳の視覚にかかわる部位の酸素消費量を計算した。

 米科学誌「Science Advances」に先週発表された論文によれば、成長過程にある若い魚の場合、視覚を持つ方が15%多くエネルギーを消費しているという。

 研究チームを率いたダミアン・モラン氏は、光受容体やニューロン(神経細胞)が大量のエネルギーを必要とするため、視覚のエネルギー消費量は多いと説明する。

 多くの場合、洞窟内は食べ物や酸素が乏しいため、自然選択(自然淘汰)によって「視覚を退化させた個体が生き残ったのでしょう」とモラン氏は話す。

 現在、ニュージーランドのシーフード・テクノロジーズ・グループ(Seafood Technologies Group)の研究者として働くモラン氏は、さらにこう続ける。「いつも暗闇に包まれ、食料を探したり捕食者を避けるのに視覚を使う必要がない環境に置かれれば、この魚に限らず、目や脳の視覚中枢はいらなくなるはずです」

 事実、モラン氏らがブラインドケーブ・カラシンの体を調べたところ、視覚をつかさどる中脳が著しく退化していた。

 米メリーランド大学カレッジパーク校の生物学者ウィリアム・ジェフリー氏は第三者の立場で、この説を「直接的に、これほど見事に検証した研究は知りません」と評価する。

 ただし、この説が「成り立つ可能性は確認できた」が、「決して有力な証拠が提示されたわけではありません」と言い添えている。

 「遺伝子研究の結果、ブラインドケーブ・カラシンでは10を超える目の遺伝子が変異しており、変異している遺伝子の種類は集団によって異なることがわかっています。つまり、複数の要素がかかわっているということです」とジェフリー氏は述べる。

 ブラインドケーブ・カラシンの場合、「多面発現」と呼ばれる現象が起きている。もともと目の発生にかかわっていた遺伝子が、洞窟での暮らしにより役立つ機能を割り当てられたのだ。暗闇で食べ物を見つけやすいよう、味覚にかかわる細胞が増えているのもその一例だ。

 実際、今回の研究で得られた証拠は、多面発現とエネルギー節約の両方が視覚を退化させた主な要因であることを示唆していると、モラン氏も述べている。

全文はこちら http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/15/091500259/
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