ともに第二次世界大戦の敗戦国であるドイツと日本、どうして差がついたのか・・・ 慢心、環境の違い #1

1番組の途中ですがアフィサイトへの転載は禁止です:2015/09/15(火) 10:25:35.44 ID:hvfxg13a

日本とは何が違った? 同じ敗戦国でもドイツが周辺国と信頼関係を築けた理由

ドイツの政治家は、「周りの国々との和解」が自国の繁栄にとって必要不可欠な要素であることをよく理解している
敗戦から70年を経た今も、過去の「歴史認識」をめぐって近隣諸国との関係に悩む日本と、ナチス・ドイツ時代に犯した「過ち」に厳しく向き合い続けることで欧州統合のリーダーとなったドイツ。
ともに第2次世界大戦の敗戦国であり、ものづくり大国として奇跡的な復興を成し遂げた両国の歩みは、一見、似ているようで実は大きく違うという。
ドイツ在住25年の著者が日本とドイツ、ふたつの「戦後」を比較しながら、今の日本が抱える問題点を浮き彫りにするのが『日本とドイツ ふたつの「戦後」』だ。著者の熊谷徹氏に聞いた。

―日本とドイツの「戦後の違い」に注目し始めたのはいつ頃からなのでしょうか?
熊谷 私は1990年からドイツで暮らしているのですが、それ以前にもNHKの記者としてドイツの歴史問題への取り組みについて取材した経験があり、当時から両国の違いについては注目していました。
ここ数年はその違いが広がってきたと感じています。東アジアにおいては日本と中国、韓国との緊張感が高まり、国民の間にも緊張を煽(あお)るような動きがある。
一方のドイツは、欧州連合の一員として完全に溶け込み、周辺諸国の信頼を得て、今やそのリーダーと見なされている。
こうした東アジアの状況と今のドイツが置かれている状況を比べると、ずいぶん違うな…と、ヨーロッパに住んでいる日本人のひとりとして切実に感じるわけです。

例えば今、日本では集団的自衛権に関する議論が盛んに行なわれていますが、ドイツはNATOの一員として集団安全保障体制に加わっているので、
仮にNATOの加盟国が攻撃されれば多国籍軍の一員として制裁に加わる可能性もある。
しかし、そのことに反対する国はほとんどありません。それどころか、もっと軍事的な貢献をしてほしいと言われる存在になっています。
これは、「ドイツが戦前のようにひとり歩きして、周りの国に大きな迷惑をかけることはしないだろう」という信頼があって初めて成り立つことです。
ドイツが第2次大戦という過去と真剣に向き合ってこなかったら、こうした信頼感は得られなかったし、EUのリーダーと見なされることも不可能だった。
自らの過去、歴史に正面から向き合ってきた姿勢こそが、近隣諸国との関係を改善し、今のドイツの繁栄を支えた最大の要因だと私は考えています。

―両国の戦後の歩み、「過去への向き合い方」はそれほど大きく違うのでしょうか?
熊谷 歴史上、虐殺事件はたくさんありますが、工場のような施設を造り、民間人を含む多くのユダヤ人をシステマチックに虐殺したという意味で、ナチス・ドイツの行なったホロコーストは他に例がありません。
ドイツ人は、人類史上まれに見る大量殺人をドイツの名の下に行なったという道義的責任を共有しているので、過去への向き合い方が徹底しています。

また、9ヵ国と国境を接し、資源も人口も少ないドイツは資源を輸入し、加工して輸出するという「ものづくり大国」となる以外に成長する道はなく、政治的にも経済的にも近隣諸国の信頼なしには生き残れない。
ドイツの政治家は「周りの国々との和解」が自国の繁栄にとって必要不可欠な要素であることをよく理解していますから、その意思は非常に強いのです。

(つづく)

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