「3度目の正直」 改正労働者派遣法が成立 派遣受け入れ期間制限を廃止
企業が派遣労働者を受け入れる期間の制限を事実上撤廃する改正労働者派遣法は11日の衆院本会議で、自民、
公明両党などの賛成多数で可決、成立した。
民主党など野党は「生涯派遣が続く」と反発し、過去2度も廃案になったが、「3度目の正直」で成立した。
安倍晋三政権が推進する、多様で柔軟な働き方の実現に道を開くことになる。
改正派遣法は日本年金機構の個人情報漏洩(ろうえい)事件の影響などで審議が遅れ、施行日を1日から30日に
修正した上で参院で可決し、衆院に戻されていた。
派遣制度は現在、企業が派遣労働者を受け入れる期間について秘書や通訳など26職種の「専門業務」は無制限、
それ以外の「一般業務」は同じ職場で最長3年が期限となっている。
改正派遣法は専門と一般の業務区分を撤廃し、派遣先企業が労働組合の意見を聞いた上で、3年ごとに人を入れ替えれば、
派遣労働者を使い続けられる。働く人の立場からすれば、同じ職場で働く期間は一律3年になることから、
派遣期間が無制限だった専門業務は3年で「雇い止め」になるとの懸念が消えない。
このため、改正派遣法では派遣労働者の雇用の安定を図るため、派遣会社に対し、同じ職場で3年勤務した派遣労働者の
直接雇用を派遣先に依頼したり、新しい派遣先を紹介したりする措置を義務づけている。
ただ、派遣先に直接雇用の依頼に応じる義務はなく、実効性には疑問が残る。
http://www.sankei.com/politics/news/150911/plt1509110018-n1.html