警察署長の黒人差別を告発、白人警官に住民から殺害脅迫相次ぐ
2015/09/10 15:11(ロサンゼルス/米国)
【9月10日 AFP】米西部オレゴン(Oregon)州にある人口約 2000人の小さな町クラッツカニー(Clatskanie)で、
黒人女性の陳情に対して警察署長が人種差別的な中傷をしたとして内部告発した白人の警察官が、地元住民らから
「殺す」などと脅迫されている。この警察官は9日、命の危険を感じているとAFPの取材に訴えた。
アレックス・ストーン氏(36)は 8月、同僚とともに上司を告発した。
しかし、それ以降、地元住民から脅迫状が届いたり、人種差別を受けたりしているという。
「つい昨日、地元の商店主から『お前を森へ連れて行って頭を撃ち抜いてや りたい』と言われた。別の人には、首を
つってやりたいと言われた」
「頭を撃たれて死ねばいい」といった電子メールも送られてくるという。
「妻は 2度も道で幅寄せされて道路脇に押し出された。3人の子どもたちもおびえている」
「住民たちから、町を出ていけと言われている気がする」
発端は、ストーン氏の上司に当たるクラッツカニー警察のマーティン・フーバー署長(当時)が、黒人容疑者からの
苦情について報告を受けている際に、サルのまねをするように自分の胸をたたいたり、遠ぼえのような声を
あげたりしたことだった。
ストーン氏と同僚のザック・ギブソン氏は、とにかく困惑し「完全に絶句した」という。
「私は、人はみな神様の形に創造されたと信じるよう育てられた。誰かが、特に権力の座にある人間が、
他の人たちを人間以下のように扱うことには我慢ができなかった」とストーン氏は話している。
ストーン氏はフーバー氏に対し、反応に驚いたこと、苦情を申し立てた女性は負傷していることを伝えた。
すると、フーバー氏は「当然の報いだ」と答えたという。
そこで、ストーン氏とギブソン氏は8月、内部告発を決意した。
フーバー氏は告発を受けた後に有給の休職扱いとなり、それからすぐに、市当局から惜しまれつつ退職した。
ダイアン・ポール市長は先週、地元紙に掲載された書簡で「よく務め上げてくれた」とフーバー氏に謝意を示している。
ストーン氏の内部告発を支援した米国自由人権協会 (ACLU)オレゴン支部のマット・ドスサントス氏は、この一件
について、市民の警察に対する不信感が高まっていることを浮き彫りにするものだと指摘。
警察の不祥事が相次ぐ中、「悪い警察官だけでなく、良い警察官もいると人々は信じたがっている。(フーバー)
署長の行為は、警察への人々の信頼を一段と損なった」と説明している。(c)AFP/Jocelyne ZABLIT
http://www.afpbb.com/articles/-/3059922