ネズミが餌にありつく夢を見る可能性、英研究~動物は夢を見る?
イカの夢を見た。巨大なイカだ。大きな目玉は無数の小魚でできていて、そのうちの1匹が泳ぎ出ると、イカの視野に見えない1点が生じる。その状態は別の魚が入るまで続いた。
タイミングよく「動物は夢を見る?」という質問をFacebookにいただいたので、科学者に聞いてみることにした。
動物が夢を見るかどうかは定かでないが、「可能性は非常に高い」と言うのは、英ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの実験心理学者、ヒューゴ・スピアーズ氏だ。
スピアーズ氏らが6月に学術誌「eLife」に発表した論文によると、実験用ラットに食べ物を見せてから眠らせると、特定の脳細胞がエサにありつくための道のりをたどるような反応を示したという。
彼らは行きたくても行けなかったご褒美への道のりを「夢に見ていた」と言えるかもしれない。
人間では多くの場合、夢はレム睡眠中に訪れる。レム睡眠は、ほとんどの哺乳類も経験する。
つまり、「私たちが夢と呼ぶものに近い何かを、動物も経験していると考えるのが妥当です」と、米ボストン大学進化神経行動学研究所のパトリック・マクナマラ所長は言う。
マクナマラ氏は、注目すべき研究として、1959年にフランスの神経科学者ミシェル・ジューヴェ氏らが行った実験を挙げている。研究チームは、ネコの脳における一部の機能を阻害し、レム睡眠中でも体が動くようにした。
すると眠っているネコは頭をもたげ、まるで見えない何かを見ているように、背中を丸め、獲物にそっと忍び寄り、ケンカを始めたかのようだった。
これらの行動はすべて、レム睡眠中のネコが何らかの映像を「見て」いることを示唆している。とはいえ、私たちと同じような夢を見ているかどうかは定かでないとマクナマラ氏は述べた。
イカの夢のせいで、私の好奇心が爆発した。頭足動物――イカやタコなど――は、夢を見るのだろうか?
スピアーズ氏は言う。「可能性はあります。それもすべて、“夢”をどう定義するかにかかっています」
たとえば、ヨーロッパコウイカは睡眠のような状態を示す。2012年に科学誌「PLoS ONE」に発表された論文によると、その間、色が変化したり、ピクッと動いたり、レム睡眠と同じように眼球が動いたりするそうだ。
全文はこちら http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/15/b/090700032/
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