安保関連法案:昨年末に成立約束か 特別委で野党追及
安全保障関連法案を審議する参院平和安全法制特別委員会は2日、一般質疑を行った。
共産党の仁比聡平氏は、自衛隊制服組トップの河野克俊統合幕僚長が昨年末に訪米した際の米軍幹部との会談内容を記したとされる資料を提示した。
資料では河野氏が法整備を「来年夏までに終了する」と明言、沖縄県の米軍普天間飛行場代替施設を含む米軍基地の日米共同使用に前向きな考えも示した。
中谷元(げん)防衛相は「防衛省が作成したか否かもコメントできない」と述べるにとどめたが、野党側はさらに追及する方針だ。
資料は昨年12月17、18両日に行われた河野氏と米軍幹部との会談の「結果概要」。
17日のオディエルノ米陸軍参謀総長との会談で、河野氏は安保法制整備について「(衆院選での)与党の勝利により、来年夏までに終了すると考えている」と述べた。
安倍晋三首相は今年4月の米議会演説で「夏までの成立」を表明したが、河野氏は首相表明より約4カ月前の段階で米側に伝えていたことになる。
仁比氏は「法案の具体的検討も与党協議もされていない時点。勝手に認識を示したのか」と批判した。
普天間飛行場を巡っては、18日のダンフォード米海兵隊司令官との会談で河野氏は
「辺野古への移転やキャンプ・ハンセン、キャンプ・シュワブでの共同使用が実現すれば、米海兵隊と陸上自衛隊の協力が一層深化する。
これにより、沖縄の県民感情も好転するのではないか」と提案した。米軍基地の共同使用について、中谷氏はこれまでの国会答弁で「考えていない」と説明している。
特別委ではまた、中谷氏は国連主導ではない国際平和協力活動について「他国軍隊に安全確保を依存する形で派遣するのは適当ではない」と述べ、
人道復興支援に加え、地域の巡回や住民防護などの「治安維持活動」も実施することが前提との考えを示した。
過去のイラク派遣では、自衛隊は人道復興支援を行い、周辺の治安維持はオランダ軍など他国軍が担っていた。
http://mainichi.jp/select/news/20150903k0000m010096000c.html