<仙台いじめ自殺>いじめ根絶へ説明きちんと
仙台市立中1年の男子生徒=当時(12)=が昨年9月下旬、いじめを苦に自殺した問題で、河北新報社には連日、
市教委と学校の対応や報道に対する読者の声が手紙や電子メール、電話で寄せられている。「悲しい事件が二度と起こらないようにしてほしい」。
いじめ根絶への願いから、当該校での生徒や保護者へのきちんとした説明を求める内容が多い。
市教委は8月21日に事実を公表したが、「遺族の意向」を理由に学校名を伏せた。学校も「男子生徒は転校した」と他の生徒らに虚偽の説明をし、地域に混乱が生じている。
学校がある地域の住民とみられる男性は「学校は生徒にも保護者にも説明がない。生徒には学年が特定されないよう、名札をするなと言ったと聞く。隠蔽体質がエスカレートしている」とメールを寄せた。
関係者への説明がないまま、男子生徒を悼む思いや責任の所在が曖昧にされようとしている現状に憤り、学校に説明責任を果たすよう促した。
別の女性は「(記事で)学校が荒れているように書かれているが、そんなことはない。学校はうやむやにせず、きちんとコメントしてほしい」と要望する。
同校では過去にいじめが一因と指摘される生徒の自殺があり、今回の男子生徒の自殺後に別の生徒へのいじめがあったことが判明。
地元関係者とみられる人物は手紙で「いじめた側に厳しい指導がないから、連鎖する」と指摘した。
一方、「教育は家庭が根本。学校や市教委の批判だけでなく、家庭の責任を追及し、地域を動かす報道であってほしい」という匿名の手紙もあった。
いじめに悩む保護者の関心は高い。別の学校でいじめに遭った子どもをフリースクールに通わせたという男性は「学校はフリースクールの存在も教えてくれず、自分で見つけた。さまざまな事例を取り上げて改善策を報道して」と望む。
太白区の男性は「子どもが、小学校でいじめを受けてきた。市教委に訴えても『検討する』との返事が続き、進展がない。いじめは続いている」と明かした。
泉区の女性は以前、娘がいじめで不登校になった経験を打ち明け、「市教委に相談したが、連絡や対処法がないまま時が過ぎるのを待つような対応だった。自ら転校させた」と不満をつづった。
反響は東北以外にも広がる。神奈川県の男性は自身が務めるスクールカウンセラーの在り方を問題視。
「学校の支配下に置かれ、本来の役割が壊死している。現行制度が続く限り、学校でのいじめが減ることは望めない」と訴える。
河北新報のウェブサイトに掲載された記事にも多数の書き込みが寄せられ、「子どもが自殺したのに混乱の責任を感じてしまう親御さんが気の毒だ」
「いじめは大人社会の反映だ」といった声があった。
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201509/20150901_13015.html