リニア初の工事契約 南アトンネル 山梨側
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JR東海は27日、2027年に東京(品川)―名古屋間の開業を目指すリニア中央新幹線で、長野、静岡、
山梨の3県を貫く南アルプスの山岳トンネル(全長約25キロ)の山梨県側で共同企業体と工事契約を締結し、
本格工事に入ったと明らかにした。超電導磁気浮上走行の試験を続ける山梨リニア実験線(42・8キロ)を
除く東京―名古屋間の約243キロで工事契約は初めて。
JR東海は昨年12月17日、品川駅と名古屋駅の自社用地で、工事ヤード(作業場)を造る準備工事を
開始。3千メートル級の山々の地下深くを掘る南アトンネルは難工事も予想されるため早期着工を目指し、
今春から山梨県早川町と静岡市の一部を含む「山梨工区」(約7・7キロ)について業者選定を進めていた。
今月26日、大成建設(東京都)、佐藤工業(東京都)、銭高組(大阪市)の3社による共同企業体と工事
契約を締結。工期は27日から25年10月末までの約10年間。今後、用地の一部を購入、地元で工事
説明会を開くなどして、実際の工事を始める。トンネルの掘削方式や総工費は明らかにしていない。
柘植康英(つげこうえい)社長は27日の記者会見で南アトンネルについて「綿密な地質調査を実施しているし、
最先端の技術で地質状況を確認しながら工事を進めるが、突発的な出水などで難航も考えられる」と説明。
「工事の安全、環境の保全、地域との連携を十分重視して計画を着実に進めたい」と述べた。
同トンネルでは、下伊那郡大鹿村と静岡市の一部を含む「長野工区」(約8・4キロ)について今月3日に
業者の公募を開始している。契約時期について柘植社長は「現段階では未定」とした。両工区以外の8・9キロ
(静岡市内)は業者選定の手続きが始まっていない。
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