トランプ氏の共和党ライバル中傷は計算ずく やり過ぎとの批判も
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トランプ氏はソーシャルメディアの膨大なフォロワー(フェイスブックは330万人、ツイッターは380万人)を
ライバル候補者の攻撃に利用している Photo: Charlie Neibergall/Associated Press
By JANET HOOK and REID J. EPSTEIN
2015 年 8 月 27 日 19:33 JST
米大統領選に共和党から立候補している不動産王ドナルド・トランプ氏は、子供同士が使うようなあざけりの
言葉を政治的な芸術形式に作り変えている。
トランプ氏は共和党のライバル候補たちを片っ端からこき下ろしてきた。ジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事は
「非常に低エネルギー」の人物で、米コンピューター大手ヒューレット・パッカード(HP)元最高経営責任者(CEO)
のカーリー・フィオリーナ氏は「頭痛の種」、スコット・ウォーカー・ウィスコンシン州知事の指導力は「悲惨」で、
リンジー・グラハム上院議員は地元のサウスカロライナ州でも支持率が低いとあざ笑った。
「地元サウスカロライナ州での支持率はたった4ポイントだが、全米の支持率ゼロよりははるかに良い」と、
トランプ氏はツイッターでグラハム議員を冷笑した。「私にわずか26ポイント差をつけられているだけだ」
これらの言葉は失言でもアドリブでもない。トランプ氏に近い複数の関係者によると、他の共和党候補者を
離脱させるための戦略の一部だという。トランプ氏はこの戦略によって、少なくとも今のところは、米政界の
ごまかしに対する「解毒剤」を探している有権者の注目を集め、支持率を高めることに成功している。
(中略)
トランプ氏に関する共著書があるケイト・ボナー氏は「私は彼を知っているので『いじめっ子』という言葉は
使わないが、そうみなされるのは理解できる」と語る。「ドナルド・トランプは自身に本物というブランド付けを
試みている。米国民は本物に飢えているため、彼が少しばかり問題児になることも許されている」
トランプ氏の高い支持率にライバル候補や批判的な向きは当惑しているが、いじめの心理的影響を研究して
いる人々には納得がいく。
「仲間より優位に立ち、支配することによって人気が出る」と、南カリフォルニア大学の心理学者デービッド・
シュワルツ氏は指摘する。「人気のある子供の多くが特に好かれているわけではない。大半の場合、攻撃に
よって階層の頂点に上り詰めるからだ」
トランプ氏は25日のアイオワ州での記者会見で、自身の姿勢について、「不当に扱われたときは相手にその
ことを忘れさせない」と説明した。
トランプ氏はこの記事のための取材を断った。
(中略)
カプト氏によると、トランプ氏はアドバイザーたちから侮辱的言動を慎むべきだと繰り返し忠告を受けているが、
従うことはほとんどない。トランプ氏はテレビのリアリティー番組での経験から、辛らつな言葉が最大限の効果を
発揮するよう微調整する方法を学んだように見えるという。「即興に聞こえても、計算されたものだ」とカプト氏は
指摘する。(以下略)