「後援会のトップの間では、晋三さんが大腸炎の薬に耐性ができてしまって、効果が出にくくなっていると言われているのですが、そのことが話題に出ると、洋子さんは、『そんなことで大丈夫なのか』と、ひどく心配していました」
あまりに痛ましくて
安倍総理は'07年、第一次政権を、ストレスの結果悪化した持病のために放り出すことになった。その後、ゼリア新薬の「アサコール」という薬を服用するようになり、
「画期的な新薬ができたお陰でいまはまったく問題ない」(安倍総理)
はずだったのだが、様相は一変している。後援会幹部が続ける。
「洋子さんは、毎朝、総理に『薬は忘れていないでしょうね』と聞くようになったそうです。また、朝のトイレが長いと、心配して『また出血しているの?』と尋ねているといいます。総理の持病は悪化すると、毎朝、出血するようになるのです」
そんな中でも安倍総理は無理を続けているのだから、洋子さんの心配は募るばかりだろう。
7月28日の夜、東京・赤坂の洋食屋「津つ井」に現れた際の安倍総理の姿は、周囲の不安を裏付けるように、痛ましいものだったという。
会合は午後6時30分から始まり、会場には、30人弱の議員たちが待ち受けていた。直前に「(安保関連法制において)法的安定性は関係ない」と失言をした礒崎陽輔首相補佐官の姿もあった。
総理はSPを引き連れて到着、あいさつをし、ネクタイを緩めた。途端、猛然としゃべり始めた。
「延々と一人でしゃべり続けるのです。しゃべり始めたら止まらない。異様な印象を受けました。ランナーズハイのようでした」(自民党中堅議員)
和室に3つのテーブルを並べての会で、総理はすべての席をまわった。
「普通なら、議員たちが総理のテーブルを順繰りに行き来しますが、この日は総理が次々と動くので、議員は恐縮しきりでした」(前出・中堅議員)
総理の話題は、脈絡なく多方向に及んだ。
「民主党の質問は本当によくない。あれじゃ、まともに答えられないよ」
「岸(信介)は、選挙の時、自分の選挙区に入らなくても当選していた。そういう時代だった」
総理は、しゃべる間にもビールやワインを飲み、揚げ物にも手を付けてバクバクと食事をしていたという。酒や油っこいものは、持病にさわるにもかかわらず。
「結局、総理は午後9時頃までいました。普通、総理大臣が、重要法案を参院で審議している最中に、2時間半も会合に出席するなんて、あり得ません。どこかヤケクソといっていいような雰囲気でした」(同・中堅議員)