五輪エンブレム、梅野隆児氏が選考方法に問題提起
「日本中のデザイナーの英知を結集したものとは言えないと思う」。
梅野氏は公開したことについて、選考方法への問題提起の意図があったことを明かした。
今回のエンブレム選考には参加資格があった。東京ADC賞など国内外の7つのデザインコンペのうち、2つ以上を受賞していることが条件だった。
梅野氏は、「フルオープンのコンペではなく、事実上の指名コンペみたいなものだったのです」と指摘した。
五輪招致ロゴのデザイナーの島峰藍さんでさえ、参加資格がなく、招待参加もなかった。
梅野氏は、「選手だってフェアに戦って下から選ばれてくるもの。なのに、エンブレムは門前払いがある。五輪は参加することに意義があると言われているのに」と、思いを口にした。
また、梅野氏は「参加資格に含まれる賞は広告系のものが多く、産業系のデザイナーが置き去りにされている」
と、別の問題点も指摘する。デザイナーには広告系のほかにも、プロダクトデザインや、建築・環境デザイン、
フォントデザインなどの産業系のデザイナーがおり、無名でも日本のプロダクトなどを支える優秀な人材がそろっているという。
梅野氏は、「産業デザインを支えたり、暮らしの中で人が美しく便利に暮らせるように頑張っているデザイナーも大勢おり、
彼らも優れたロゴデザインができることを忘れないでほしかった」と話した。【上岡豊】
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