ギリシャ、来月総選挙の方針 チプラス首相が表明へ
ローマ=山尾有紀恵
2015年8月21日01時04分
ギリシャのチプラス首相は20日、今秋に総選挙を行う方針を固めた。同日夜(日本時間21日未明)
にも発表する予定だという。国営テレビなどが伝えた。ギリシャは緊縮策受け入れと引き換えに欧州連合
(EU)などからの支援を獲得したばかりだが、政治の混乱で財政改革に遅れが出る可能性がある。
投開票日は9月20日を軸に調整されている。ロイター通信によると、チプラス氏は20日夜に大統領に
辞表を提出する見通し。その後、選挙管理内閣が発足するとみられる。
EU側からの支援を得るため、チプラス政権は14日、反緊縮の公約を曲げて財政改革の法案を国会
(定数300)で通過させた。野党3党の協力で可決したが、最大与党・急進左翼進歩連合(シリザ・
149議席)は40人以上が造反。政府筋は、与党の分裂状態を解消するため、近く内閣信任投票を行う
方針を示していたが、国民が緊縮策への反発を強める前に、できるだけ早期に総選挙を行う必要が
あると判断したとみられる。
また、ギリシャ政府は20日、期限を迎えた欧州中央銀行(ECB)が持つ32億ユーロ(約4400億円)
の国債を償還した。EU側の新たな支援にもとづいて同日、初回の融資が行われたためだ。
(ローマ=山尾有紀恵)
http://www.asahi.com/articles/ASH8N77PCH8NUHBI02S.html