【大宜味】大宜味村喜如嘉の国道58号で16日夜、産卵のために上陸した雌のアオウミガメ(絶滅危惧2類)が車にひかれて死んだ。
日本ウミガメ協議会によると、成体が陸上で事故死した記録は全国にもない。北部国道事務所が対策を検討する。(阿部岳)
現場は、砂浜と道路の間に遮る物がない。事故を聞いて駆け付けた協議会会員の米須邦雄さん(63)=大宜味村=は「アオウミガメは
砂浜の奧まで上がって産卵する習性がある。上がった場所がたまたま国道だったのかもしれないが、痛ましい事故だ」と話した。
同じ現場では2011年にもふ化したばかりのタイマイがひかれて死んだことがある。子ガメは街灯に誘われたとみられ、今回のアオウミガメも
その可能性があるという。米須さんは「砂浜の出口に丸太を置いたり、街灯の光を工夫したりするだけで事故は防げる」と訴えた。アオウミガメは
甲羅の長さが88センチ、体重87・5キロ。事故を起こした車も損傷したという。当時、現場では雨が降っていた。
北部国道事務所はこれまで、子ガメを道路上に招かないよう、街灯の種類や照らす範囲を調整してきた。「大人のカメが道路上に来ることは
想定できなかった。今後、専門家とも相談しながら事故を防ぐ対応を考えたい」としている。
日本ウミガメ協議会の松沢慶将会長(46)は「国道事務所と海岸を管理する県が連携して対策を取ってほしい」と求めた。
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