NY知事と市長、タイムズスクエアのトップレス女性に苦言
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いつもトップレスでタイムズスクエアに現れる女性の1人、エミリア・ラプルタさん(18日)
Photo: Kevin Hagen for The Wall Street Journal
2015 年 8 月 20 日 11:29 JST
米ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事とニューヨーク市のビル・デブラシオ市長は住宅政策から
レジオネラ症対策に至るまであらゆる問題で対立しているが、最近、珍しく意見が一致した。タイムズ
スクエアに登場するトップレスの女性パーフォーマーたちを取り締まるべきだという点だ。
クオモ知事は19日、タイムズスクエアで観光客と一緒の写真をとりチップをもらう、トップレスの胸に
ボディペインティングした女性たちのことで苦言を呈した。デブラシオ市長の18日の発言に追随した格好だ。
知事はニューヨークの地元テレビに対し、これら女性は猥雑で薄汚かった昔のニューヨークを想起
させるとし、「人々は『品の悪い昔のタイムズスクエアを思い出す』と言い始めている」と、風紀の乱れを
嘆いた。その上で、彼女たちは法律に違反していると警告、対策を講じると表明した。ただ、どのような
対策をとるかは明らかにしなかった。
ニューヨーク市のスコット・ストリンガー監察官も19日の記者会見で、「市長と協力して子供や家族連れ
が安心して歩けるようタイムズスクエアの浄化に乗り出すつもりだ」と述べた。
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トップレスの女性たちはタイムズスクエアで観光客と一緒に写真をとりチップをもらう Photo: Getty Images
これに対し、人権弁護士などはクオモ知事の姿勢に疑問を投げ掛ける。弁護士のロン・クービー氏は、
「憲法修正第1条で表現の自由は保障されており、トップレスも物乞いも完全に合法だ。知事が言っている
ことはさっぱり意味が分からない」と話す。同氏など人権弁護士は、1992年にニューヨーク州ロチェスター
の裁判所で、同州内では女性がトップレスになる権利があるとの裁定が下されたことを引き合いに出す。
ニューヨーク州当局者はその後クオモ氏の発言について、「公然わいせつと特定したわけではなく、
刑法や労働法などに違反する恐れがある言ったものだ」と説明した。ニューヨーク市議会のメリッサ・
マークビベリト議長は、「市議会として法的なオプションについて検討する」と述べた。
クオモ氏のトップレス女性についての発言について、ばかばかしいと一蹴する識者もいる。ニューヨーク
大学のハーベイ・モロッチ教授(都市社会学)は、「つまらないことで大騒ぎしている」と冷ややかに
受け止め、「ビクトリア朝時代に女性がくるぶしをちらっと見せた時以来、体の一部を見せることは
センセーションを巻き起こしてきた」と語る。