100周年を記念し、開園以来初の「ナイトZOO」などで盛り上がりを見せる大阪市天王寺区の天王寺動物園。
現在も夏休みということで、連日にぎわいを見せ笑顔があふれている園内だが、
今から70年前に悲しい出来事があったことをご存知だろうか。
太平洋戦争が激しくなり「動物が逃げたら危険」と当時の軍の命令で猛獣を殺処分しなければならなかった。
その悲惨さを伝えようと同園で「戦時中の動物園展」が行われ、
殺処分された動物たちのはく製が展示されている。期間は23日まで。
なんの罪もない動物たちが殺処分に
同園のレクチャールームには、ハイエナ、ホッキョクグマ、ヒョウ、ライオンといった多くの猛獣たちのはく製が並ぶ。
これらはく製はすべて、戦時中に同園で殺処分されたものだ。
「空襲でオリが壊れ動物たちが逃げ出し、人を襲ったりするのは危険と判断され、軍から殺処分の命令が下ったそうです」と話すのは、
同園の今西隆和さん。同園では、1943年9月から殺処分が行われた。
それまでにも、原料がないためエサを与えることができず、ゾウやキリンが栄養失調のためやせこけて死んでいったという。
また、ナイフやフォークを使ったりすることが出来たチンパンジーの「リタ」写真なども展示されていた。
リタもその器用さがゆえに、戦意高揚のために軍服を着せられたり、軍の広告塔にされた。
妊娠していたが、エサ不足などから死産に。リタもその翌日に死んだという。
そのリタが、死産だった子供を抱き、当時のままのお気に入りのいすにすわった状態で、はく製として飾られている。
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