男性は本当にパジャマを着て眠るのか?
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1966年の映画「美人泥棒」に見られるように、かつての米国ではやぼったい人のみがベッドで下着を着ると思われていた
Photo: Everett Collection
By JACOB GALLAGHER
2015 年 8 月 17 日 18:05 JST
それは2年ほど前の夢から始まった。白昼夢だったのは確かで、人々がベッドで何を着るかについての夢だった。
この妄想を引き起こしたのが何だったかは分からない。ただ、私はノート型パソコンを持って数週間引きこもり、
パジャマでのんびり過ごすビートルズや映画監督のウェス・アンダーソン氏、画家のジュリアン・シュナーベル氏の
スナップ写真をまじまじと眺めていた。なんてスタイリッシュでリラックスしているように見えるのかと、私はうらやましく
思った。「こんなに格好良く、気楽になれるのか。パジャマさえ持っていれば……」
これがきっかけで、私は淡いブルーのオックスフォード地に緑の縁取りがほどこされたパジャマの上下ひと揃いに
飛びついた。これは当時の最新レーベルとされていたスリーピー・ジョーンズのものだ。
パジャマはいい感じで、私にすぐに着用して横になってみるように誘っているかのようだった。ただ、その日の夜に
自宅で購入したパジャマを着てみると、デザインが凝りすぎており、1950年代のホームコメディーに出てくる厳格な
父親のような感じになっているのに気がついた。
そのときまで、私は大人になってからずっとTシャツとボクサーパンツで毎晩眠っていた。これは完全に調和の
取れた組み合わせで、就寝時の習慣を崩す必要がないことがわかった。私は新品のパジャマを化粧ダンスにしまい、
ずっと置きっぱなしにした。ただ、私は引き出しを空けるたびに後悔の念にかられ、「こんなものを実際に着る
男性がいるのだろうか」といぶかるようになったのだ。
分かったのは、「実際に着ている人がいる」ということだ。
ただ、こうした男性を見つけるのは簡単ではなく、やみくもに探し出すのは不可能なことのように思えた。実際に
着る人がいたとしても、パジャマは基本的に自宅のプライベートな空間で身につけられるものだ。ただ、まさに
これこそがジョン・スプリング氏(34)にとってのアピールポイントだ。アラブ首長国連邦(UAE)のエティハド航空で
マーケティングディレクターを務めるスプリング氏は、これまでずっとパジャマを着てきた。同氏は「パジャマは自分
のために着るもので、誰か他人に感心してもらうためのものではない。自分自身の趣味と快適さのためのものだ」と
述べた。
続き
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