バブルの象徴? 山梨巨大住宅地の現在 全長200m「東洋一」のエレベーターで街に「登る」
島津 翔 2015年8月19日(水)
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山梨県上野原市にある住宅地「コモアしおつ」の全景
「島津さん、(不動産担当なのに)知らないって、モグリですよ…」
7月下旬。筆者は不動産調査会社の東京カンテイを訪れていた。本題は都心部のマンション価格だったが、
脱線してバブル期の不動産価格について、同社の上席主任研究員である井出武氏に質問した。ちょうど
日経ビジネス8月3日号でバブル入社組をテーマとした特集を担当していて、頭の中がバブル期のことで
一杯だったからだ。
井出氏:バブルのころは、都内では戸建てもマンションも軒並み1億円超えですよ。都心部では18平米の
ワンルームで5000万円超えという物件もありました。一般的な給与水準では、ファミリータイプのマンション
なんて、とてもじゃないが買えなかった時代です。
筆者:(データを見ながら)去年ごろから住宅価格が値上がりしていますが、バブル期の価格は比べ物に
なりませんね…。戸建てを買いたい人はどこで買っていたんですか?
井出氏:山梨ですよ山梨。新宿まで電車で1時間程度というのがウリでした。島津さんも「コモアしおつ」は
知っているでしょう? 「斜行エレベーター」で有名な。
筆者:いえ、聞いたことがないです…。
ここで飛び出したのが冒頭の台詞である。
井出氏はこう続けた。「コモアしおつはバブル後期に売り出された戸建て住宅地。バブル入社組の特集も
担当していることだし、一度行ってみたらどうですか?」
筆者:バブル期に開発された郊外型巨大住宅地ですか。リゾート地に建てられた一部のマンションのように、
廃墟化が進んでいそうですね。
井出氏:いや、違うんですよ。今でも人気の住宅地。管理もしっかりされているようです。
バブル期に大量に売り出され、しかも今でも需要がある住宅地。バブル入社組の特集に関係あるか
どうかは別にして、単純に興味深かった。早速、売主である積水ハウスに取材を申し込み、コモアしおつに
向かった。
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「コモア・ブリッジ」をJR四方津駅から見る。ガラス張りのドーム形状だ
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「コモア・ブリッジ」の内観。左右に斜行エレベーターの入口がある。
エスカレーターはラッシュ時の朝と夕方のみ稼働している
続き
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