エコキュートで不眠 所沢の夫婦、製造業者と隣人を提訴
ヒートポンプ式給湯器「エコキュート」から発生した低周波音で不眠や頭痛などの健康被害を受けたとして、所沢市の60代夫婦が18日、製造業者のパナソニックなどを相手取り、慰謝料など総額184万8千円の支払いを求めてさいたま地裁川越支部に提訴した。判決が確定するまで、1人当たり1日4千円を加算して損害金を請求し、隣人にエコキュートの運転差し止めを求めた。
パナソニックは「訴状の確認ができていないので、コメントは控えます」としている。
訴状などによると、エコキュートから原告の自宅寝室までの距離は約2メートル。原告は今年1月20日ごろから低周波音を感知し、運転音により慢性的な不眠や頭痛などの健康被害が続いているとしている。
代理人の井坂和広弁護士は「エコキュートの低周波音をめぐる健康被害は日本各地に散在する問題。単なる個人の問題では終わらせないよう、問題解決に向けたステップにしていきたい」と述べた。
エコキュートは外気熱を利用して湯を沸かす家庭用ヒートポンプ給湯器の愛称。省エネ効果が高く、累計出荷台数は昨年400万台に達した。電気料金の安い夜間に稼働するため、健康被害を訴えるケースが全国で相次いでいる。2009年に前橋地裁高崎支部を皮切りに、各地で同様の訴訟が行われている。
http://www.saitama-np.co.jp/news/2015/08/19/02.html