By Quentin Fottrell 2015 年 8 月 14 日 14:40 JST
http://jp.wsj.com/articles/SB12651166888765394352004581169642692977746
パートナー探しで苦労しているというのに、米国の一人暮らしの人々はスナックの食べ過ぎ問題でも
悪者にされている。
米国では食事どきに消費されるスナック食品の量が増えている。市場調査会社NPDグループの調査
によると、たいてい一人で食事をする人がスナックの消費拡大をけん引していることが分かった。NPD
グループはスナックを食べた時の状況についてオンラインで調査した。それによると、米国では昨年、
一人で食事をする人がスナックを食事代わりにした回数は平均で191回に達し、2011年の167回から
増加した。(食事と一緒に食べたものと、食事代わりに食べたもの両方を含む。スナックの種類は
問わない。)
一世帯の構成人数が減少していることと、一人で食事をする「孤食」がスナック食品の消費増に
つながった2大要因だと、NPDの食品・飲料業界アナリストのダレン・セイファー氏は指摘する。米国勢
調査局の統計によると、一人暮らしの世帯数は1970年の17%から2012年には27%に増加した。また、
1990年には2300万世帯だった単身世帯の数は2011年には3200万世帯に達した。調査機関ピュー・
リサーチ・センターによる別の分析によると、2012年には25歳以上の5人に1人が結婚歴がなかった。
1960年には同じ年齢層で結婚歴がない成人は約10人に1人しかいなかった。
一人暮らしの人はたいてい料理をしたがらず、食品を買いすぎて無駄にすることが多いとジル・バイゼン
バーガー氏は指摘する。同氏はバージニア州ヨークタウンで働く管理栄養士で、「The Overworked Person’s
Guide to Better Nutrition(働き過ぎの人のための栄養ガイド)」の著者でもある。同氏の指導を受けて
いる依頼人の一人は「(スナック食品は)個別にパッケージされており、賞味期限も長い。恐ろしいほど
多くの人が料理をできない」と話す。
食品科学分野の学会、食品技術研究会の研究者らによると、米国人が平均で一日に摂取する総カロリー
の約25%をスナック食品が占めている。実質的に4回目の食事だ。バイゼンバーガー氏は「これは単に
夕食時のスナック一袋を意味するわけではない」とし、「栄養価について本当に懸念する必要がある。
(スナック食品は)カロリーがこれだけ高ければ、栄養分も必要量の25%なければならないが、たいていは
そうではない」と話す。
軽食(間食)の摂り方が最も悪い国の一つは米国だ。調査団体ニールセンが60カ国を対象に実施した
2014年の調査によると、欧州や中東、アフリカでは間食の代表格は果物だ。南米ではヨーグルトが好まれる。
だが、米国はポテトチップスが1位だ。(米疾病予防管理センターによると、米国では現在、肥満が人口比
約35%の7900万人近くに達している。)
インディアナ州ウェストラファイエットにあるパデュー大学の準教授(栄養科学)ヘザー・エイシャー・ミラー氏は、
おやつには果物や野菜をもっと食べるべきで、スナック食品なら塩分の少ないものを食べるべきだと話す。
糖分の多い飲料や加糖ヨーグルトも子供は特に避けるべきだと言う。バイゼンバーガー氏は自動販売機に
コインを投入する前にこう自問しなさいとアドバイスする。「きょうは何を十分に食べていないか。私はそれを
食べるべきだ」と。