終戦後、満州(現中国東北部)などからの引き揚げ者が、日本の税関に預けた紙幣や証券などの6割以上が今も返還されないまま残っている。
所有者が引っ越したり、亡くなったりして連絡先がわからないためだ。保管する税関では、「遺族の方でも、心当たりがあれば問い合わせてほしい」と呼びかけている。
「父は自分を保険に入れてくれていた。大切にされていたとわかった」。東京税関新潟税関支署で昨年10月、父親が預けた預金通帳と保険証書の返還を受けた新潟市の80歳代の男性は、感慨深げに職員に語った。
父親は満州からの引き揚げ者。保険証書は父親と男性の名義になっていた。
連合国軍総司令部(GHQ)は急激なインフレを避けるため、引き揚げ時の財産持ち込みを、1人あたり1000円(現在の約20万円相当)に制限。
引き揚げ者は超過分を、在外公館や上陸した港の税関などに預けなければならなかった。
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