川がオレンジに変色、米コロラド州が非常事態宣言
ワシントン=小林哲
2015年8月12日11時17分
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米西部コロラド州の廃鉱になった金鉱山で大量の汚染された水が川に流れ込み、州政府が10日、非常事態
宣言を発令した。米環境保護局(EPA)の職員らが廃鉱の調査中に、誤って内部にたまっていた水を流出させた。
環境を守る任務が裏目に出たEPAのマッカーシー長官は「痛恨の極み」と陳謝した。
EPAや米メディアによると、同州南部のゴールドキング鉱山で今月5日、鉱山の汚染状況を調べていたEPA
職員らが掘削機を使ったところ、坑道内にたまっていた水が一気に流れ出た。鉄や亜鉛のほか有毒なヒ素や水銀
などの重金属を含むとみられ、近くのアニマス川などへの流入量は推計で25メートルプール30杯分ほどにあたる
1千万リットル余に達したという。
CNNによると、汚染された水は150キロ以上離れた下流のニューメキシコ州にまで達した。オレンジ色になった
川の水は11日にはほぼ元の色に戻ったが、流域の自治体で取水制限などの措置が続いている。今のところ
健康被害などの報告はないが、川底にたまった汚染物質による長期的な健康影響を心配する声も出ている。
11日にワシントンで講演したマッカーシー長官は、「責任を持ってきれいにし、住民の健康と安全を確保したい」
などと述べた。(ワシントン=小林哲)
http://www.asahi.com/articles/ASH8D1T39H8DUHBI003.html