2015.8.12 10:57更新
報道資料入手でインサイダー取引 巨額利益えた米のハッカーら起訴
【ロサンゼルス＝中村将】米連邦検察などは１１日、不正に入手した大量の報道発表用資料を使って、
インサイダー取引などの違法行為で巨額の利益を上げたとして、電信詐欺や証券詐欺、マネーロンダリング
（資金洗浄）など２０以上の罪で米国とウクライナの証券トレーダーやハッカー計９人を起訴したと発表した。
米メディアが報じた。不正取引による利益の総額は約１億ドル（約１２５億円）と見積もられている。
ＡＰ通信などによると、ハッカーらは報道資料配信会社のシステムに侵入し、発表前の企業の報道資料を
入手。この情報をもとに、トレーダーらが証券取引所などで取引した。報道資料には株価の動きにつながる
内部情報が含まれており、インサイダー取引が可能になる。ハッカーの入手した報道資料は１５万通以上。
トレーダーはこのうち、すくなくとも８００通を使って不正取引をした疑いがもたれている。
米証券取引委員会（ＳＥＣ）によると、ハッカーとトレーダーら９人を含め、個人や企業関係者ら計３２人
が不正取引に関与した疑いがあるといい、違法行為の規模などの点で「未曾有の事件」とされる。
http://www.sankei.com/world/news/150812/wor1508120019-n1.html