上司の長話とセックスの淫靡な関係?!
オジさんの説教は百害あって一利なし
河合 薫
2015年8月11日(火)
(略)
一方、脳科学では、 「脳の老化現象」と「脳の快感」から説明できる。
当たり前のことだが、年を取れば脳も老いる。どんな元気な人でも、避けて通ることはできない。
老いた脳は、「すぐ忘れ」、物事のプライオリティを決める能力が低下し、相手の身になって話す能力も低下する。
また、脳の老化は得意分野以外の部分から進むため、「こんなこともできないのか!」とバカにされたくないという感情が、
自慢話を選択させる。
その結果、何度も同じ話を繰り返し、支離滅裂な自慢話が永遠と続くことになるのである。
運動会でコケるお父さんと一緒
つまり、アレだ。運動会で「自分がもっと走れる!」という気持ちと、実際の肉体のギャップで、お父さんがコケてしまうように、
感情と脳の機能とのギャップが、様々な“コケる”発言につながってしまうのだ。足ジジイ、ならぬ………。「……」はご自由に
想像ください。
そもそも人間の脳は、「自分のことを話す」と喜ぶらしい。
ハーバード大学社会的認知・情動神経科学研究所(Harvard University Social Cognitive and Affective
Neuroscience Lab)の科学者たちによれば、自分自身について話すと、いわゆる報酬のメカニズムや快楽の感覚、セックス、
コカイン、おいしい食事のような刺激に関わる動機の状態と関係している脳の領域が活発になるのだという。
つまり、脳にとっては、自分のことを話すことも、セックスをすることも、おいしいものを食べることも一緒。
「快感~~」と、一度トリップした脳は、再び快感を得ようと、何度でも同じ行為を繰り返す。
しかも、そこに話を聞く相手がいなくとも、脳の快感領域が活性化することが実験で明らかになった。
ん? ってことは、聞き手がいようといまいと関係ない?
「ってことは、フンフン聞き流せば、それでいいってこと?」
その通りだ。が、頭で分かっていても、心がついていかないからストレスになる。特に、上司やトップなど、「自分を評価する
権限を持っている相手」の言葉は、どんなに聞き流そうと努力したところで、聞き流せるものじゃない。
だからこそ、やはり、後輩のためにも、去り際を決めることは重要なのだ。
(略)
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/200475/080700009/