フーリガンに珍判決、ライバルクラブのグッズ「購入せよ」 独裁判所
2015年08月06日 17:14 発信地:ベルリン/ドイツ
http://www.afpbb.com/articles/-/3056657
【8月6日 AFP】ドイツの裁判所は、同国ブンデスリーガ1部のバイエルン・ミュンヘン(Bayern Munich)のサポーターを襲い、
着用していたクラブグッズをはぎ取ったライバルクラブのフーリガンの男2人に、バイエルンの商品を購入させるという「苦痛」
をともなう判決を下した。国内メディアが5日、報じた。
同国南部ミュンヘン(Munich)のカリン・ユング(Karin Jung)裁判官は国内日刊紙のビルト(Bild)に対し、同2部の
1860ミュンヘン(1860 Munich)のサポーターである被告2人に、バイエルンの商品購入か15月の懲役刑かのどちらかを
選択するよう伝えたという。
両被告はバイエルンのクラブショップでの買い物を選択したが、ユング裁判官はその決断は「被告らにとって本当に苦痛
なもの」だと、満足げに語った。
2014年8月に行われたある試合の後、もう一人の男と連れ立っていた被告2人は、ミュンヘン市内の主要鉄道駅で
バイエルンのサポーターを挑発すると、同クラブのロゴが入った上着、シャツ、帽子をはぎ取った。
ユング裁判官は、「被告2人は非常に横柄で、反省の色を見せず、自供もせず、もう一人の襲撃者の名前を明かすこと
も拒否している。サッカーはサッカーであり、戦場ではないことを示したかった」と、独特な判決について説明。被害者の同意
の下、ユング裁判官は「目には目を」という判決を下した。
「被告らにとって本当に苦痛なものとは何かと考えました。こういったことをするというのは、このようなタイプの人間にとっては、
本当に困惑するものです」
弁護士によると、被告2人は被害者にそれぞれ賠償金500ユーロ(約6万8000円)を支払った上、バイエルンのクラブ
ショップで購入した帽子、スカーフ、ジャージーを渡したという。
弁護士は、「彼らはバイエルンのショップに行くぐらいであれば、刑務所に入るというほどの筋金入りのファンではありません」
とコメント。ビルト紙は判決を、「興味深いもので、賢い」と評している。(c)AFP