7月16日の衆院本会議で、集団的自衛権の行使容認を柱とする安全保障関連の11法案(以下、安保法制)が、民主、維新、共産など野党5党が退席する中、「強行採決」によって可決された。安倍晋三政権が最重要と位置付ける安保法制は、9月27日の今国会会期末までに成立する公算が高くなった。
国会における野党の連日に厳しい追及と、憲法学者による集団的自衛権行使を「違憲」とする意見表明、それに対する安倍政権の二転三転する粗っぽい答弁によって、安保法案への反対運動が日本全国へ急拡大している。野党は、参院での審議で政府への追及を更に強めて、廃案に追い込むことを狙っている。
だが筆者は、安保法制は本来、それほど難しい政治課題ではなかったはずだったと考える。それが衆院強行採決に至ったほど混乱したのは、安倍政権のいくつかの状況認識の誤りと、稚拙な国会運営のためである。それでも、安保法制は本国会で成立するだろう。ただ本質的に重要なことは、安保法制を成立させる代償として、安倍首相の「最もやりたい政策」である「憲法改正」の実現可能性が、ほぼなくなってしまったことにある。
以下ソースで
http://diamond.jp/articles/-/75457