知的障害などにより判断能力が十分でない人を援助する「成年後見制度」を利用したため、吹田市役所の職を失った男性が、職場への復帰を求めて裁判を起こしました。
訴えを起こしたのは大阪府吹田市の塩田和人さん(49)です。
訴状によりますと塩田さんは、軽度の知的障害がありますが、9年前パソコン入力などを担当する吹田市の臨時職員として採用されました。
その後も契約更新を繰り返して6年間働きましたが、父親が病気になったため、吹田市から勧められた成年後見制度を利用し始めました。
成年後見制度とは知的障害や認知症などにより判断能力が十分でない人に家庭裁判所が援助する人をつける制度で、判断能力が不十分な人は「被補助人」に、著しく不十分な人は「被保佐人」とされます。
被補助人は公務員になれますが被保佐人は公務員になれません。
家庭裁判所に「被保佐人」と認定された塩田さん。地方公務員法では「被保佐人」は職員となることは出来ないと定められていることから、市から契約の更新を拒否され仕事を失ったのです。
「くやしかった。元の職場である『職員厚生会』でまた働きたいです。」(起訴した塩田和人さん)
塩田さんは契約を打ち切られた後、家庭裁判所に申請し直し公務員になれる「被補助人」に変更されたなどから、吹田市に対し職員としての地位の確認と慰謝料など約945万円の損害賠償を求め提訴しました。
訴えに対し吹田市は「訴状が届いていないので現時点ではコメントできない」としています。
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