サウジ当局、国内のIS系組織を摘発、431人逮捕 攻撃を阻止
2015年07月19日 08:30 発信地:リヤド/サウジアラビア
http://www.afpbb.com/articles/-/3054919
【7月19日 AFP】サウジアラビア当局は18日、同国内のイスラム教過激派組織「イスラム国(Islamic State、IS)」系組織を
摘発して431人を逮捕し、イスラム教シーア派(Shiite)モスク(礼拝所)や、外交使節に対する攻撃を未然に阻止したと発表した。
イスラム教スンニ派(Sunni)が大多数を占める同国で発生した数回の死傷者が出た攻撃について、ISは犯行声明を出してきた。
サウジアラビア内務省は、同国治安当局が「過去1~2週間で、多数の『細胞』(小組織)から構成されたダーイシュ(Daesh、
ISのアラビア語名の略称)関連組織を壊滅させることができた」と発表し、組織構成員が「外国の紛争地帯で計画された攻撃を
行い、国内で宗派間対立を扇動して混乱状態を拡大させる目的を持っていた」と述べた。
摘発された「細胞」は、これまでに同国東部州(Eastern Province)のシーア派モスクにおける自爆事件を含む数々の攻撃や
攻撃計画に関与していたという。同国内務省によると、IS組織員逮捕作戦の過程で治安部隊員や一般市民を含む37人が
死亡、120人が負傷し、またIS組織員6人が殺害された。
また同省は、IS系組織を壊滅させたことで、同国の首都リヤド(Riyadh)にある治安部隊が利用するモスクや、東部州の
シーア派モスクをイスラム教の断食月ラマダン(Ramadan)中に爆弾で攻撃する計画を阻止することに成功したことも明らかにした。
同省は、壊滅させたIS系組織が外交使節に対する攻撃計画も練っていたと声明で発表したが、具体的な内容は明らかに
しなかった。
逮捕された431人の多くはサウジアラビア人で、うち144人は「異常なイデオロギーをインターネットで広め、構成員の勧誘を
行った」とされている。97人は先に摘発された細胞および昨年11月同国ダルワ(Dalwa)で複数の子どもを含む7人が死亡した
シーア派モスク攻撃事件に関与していたという。その他の容疑者190人は、同国東部州のカティーフ(Qatif)とダンマム(Dammam)
のシーア派モスクや治安部隊を攻撃した上、さらなる攻撃を計画していたとされる。
イスラム教シーア派を異端とみなしているISは、同国内のシーア派モスク爆破事件の犯行声明を出していた。(c)AFP