刑法犯、戦後最少ペース 1~6月認知件数8.8%減
今年上半期(1~6月)の全国の刑法犯認知件数(暫定値)は、前年同期から8.8%減の約53万9千件
だったことが16日、警察庁のまとめで分かった。
戦後最少だった1973年の年間約119万件を下回るペースで、 窃盗犯の減少が目立つ。
摘発率は32%で、前年同期よりは上昇したものの3割前後の低い水準が続いている。
警察庁によると、刑法犯の認知件数は2002年に戦後最多の285万3739件を記録。
翌03年から12年連続で減少が続き、14年(121万2163件) は73年に次いで少なかった。
今年上半期の認知件数は、前年同期より5万2117件少ない53万9009件だった。
罪種別にみると、空き巣やひったくりなどの窃盗犯が39万5301件で、4万725件減少した。
暴行や傷害などの粗暴犯は3万1556件、詐欺などの知能犯は2万753件、殺人や強盗などの
凶悪犯は2915件で、いずれも前年同期を下回った。
地域の防犯活動に当たるボランティア団体や人員が増加し、路上や住宅などの防犯カメラも普及。
警察庁の担当者は「官民一体となって不審 者に目を光らせる取り組みも犯罪抑止につながっている」
としている。
刑法犯の摘発件数は前年同期から3.5%減の17万2270件、摘発人数は 同2.6%減の11万6353人。
65歳以上の高齢者の摘発は2万3656人で、上半期の統計がある89年以降で初めて14~19歳の
未成年(1万9670人) を上回った。
摘発件数と認知件数の比率を示す摘発率は1.8ポイント増の32.0%。
近年は3割前後で推移しており、6割前後だった70年代前半と比べると水準は低いままだ。
警察庁の担当者は「ストーカーやドメスティックバイオレンス(DV)など、速やかに体制を組んで対応しなければならない事案が
増えており、連続窃盗などの余罪捜査に手が回っていないのが一因」としている。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG15HFK_W5A710C1CR0000/