ギリシャ:デモ暴徒化 政権の「変節」に不満
【アテネ宮川裕章】ギリシャで15日夜に審議された財政改革法案を巡り、法案に反対するデモ隊の一部がアテネ中心部の国会前で警備に当たっていた警察官に火炎瓶を投げつけ、警察が催涙弾で応戦する騒ぎがあった。けが人は出なかったとみられるが、欧州連合(EU)が求める緊縮策をほぼ受け入れたチプラス政権の「変節」ぶりに、国民の間に不満が残っていることをうかがわせた。
暴動は15日午後9時すぎに発生。ギリシャ国会近くのシンダグマ広場周辺では、約1万人の緊縮反対派が「ユーロ圏脱退」「緊縮反対」などのシュプレヒコールを繰り返し、デモ行進を行っていた。その後、一部のデモ隊が火炎瓶や石を警察官に向かって投げ始め、近くの車にも放火。国会近くのホテルの壁がオレンジ色に光り、「ドーン」と地響きを起こすような爆発音がして白煙が上がった。
爆発音は5回以上続き、広場に煙が立ち込めた。警察が応戦した催涙弾とみられ、国会から約100メートルの距離でデモを取材していた記者も目と鼻に激しい痛みを感じた。横断幕などを掲げて抗議していた人たちは一斉に広場から退避した。AP通信は、50人以上が拘束されたと伝えた。
http://mainichi.jp/select/news/20150716k0000e030211000c.html
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