ギリシャ 構造改革を法制化 国民は反発
7月16日 11時21分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150716/K10010152601_1507161221_1507161223_01_03.jpg
ギリシャ議会は16日、ユーロ圏各国が金融支援の協議を始める条件としている、構造改革の法制化のため関連法案を
賛成多数で可決しましたが、国民の反発は根強く、議会の前では抗議集会の一部の参加者が火炎びんを投げるなど、
一時、騒然としました。
財政難に陥っているギリシャでは、ユーロ圏各国から新たな金融支援の協議を始める条件とされた年金制度の見直しや
増税などの緊縮策を盛り込んだ構造改革の法制化に向けて、15日、議会で審議が行われました。
審議では、閣僚を含む一部の与党議員が緊縮策は受け入れられないと反対しましたが、EU=ヨーロッパ連合寄りの主要な
野党が賛成に回ったことから、16日未明に行われた採決で、賛成229票、反対64票、棄権6票の賛成多数で法案は
可決されました。
これによってギリシャは、新たな金融支援に向けて一歩前進しました。
しかし、さらなる緊縮策への国民の反発は根強く、採決を前に議会周辺で開かれた抗議集会では、一部の参加者が
火炎びんを投げるなど暴徒化し、これに対し警察が催涙弾を撃つなどして、一時、騒然としました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150716/k10010152601000.html
増税や年金制度改革などの緊縮策が盛り込まれた法案には、野党が賛成にまわった一方で、チプラス首相率いる与党・
急進左派連合からは閣僚を含む38人が「造反」に回った。
与党内では、今回の法案が政権公約の「反緊縮」とはかけ離れた内容だとして批判が噴出。本会議の開始は15日夜に
ずれ込んだ。チプラス氏は採決前の演説で、EUとの支援合意について、「我々は(合意の)正当性を信じていないが、
受け入れを迫られた」などと釈明した。
採決で、与党・急進左派連合所属の議員のうち反対票を投じたのは、コンスタンドプル議長、ラファザニス・エネルギー相、
バルファキス前財務相ら32人。6人は棄権した。緊縮策を受け入れたチプラス政権の求心力の低下が浮き彫りになった格好で、
チプラス氏は今後、内閣改造に踏み切るとみられている。
http://www.yomiuri.co.jp/world/20150716-OYT1T50016.html