豪州メルボルンの市当局が公園の木に管理用のメールアドレスを割り振ったところ、市民からの私的なメールが多数届き、ついには木が返事をする椿事が発生しました。
そもそも一本一本の木に個別のメールアドレスが割り振られたのは、公園を訪れた人が傷んだ木や落枝の危険がある木などを見つけたとき、管理担当者に手軽に効率よく通報させるためでした。
しかし市当局によると、木それぞれにメールアドレスがあることを発見した市民からは管理者宛ではなく木そのものに宛てて健康状態を案じるメールが届いただけでなく、私的な悩みの相談や酸素への感謝、美しさを讃えるラブレター、果ては政治談義まで数千通が届く事態になったとのこと。
こうした市民からのメールを受けて、やがては木のメールアドレスから返信が送られるようになります。もちろん話しかけられるうちに人格が芽生えたわけではなく、公園の担当者がいわゆる「中の人」を務めての返信です。
ここ数年はソーシャルメディアの発達により、架空のキャラクターや宇宙探査機にまでツイッターアカウントが設定されるようになり、担当者のなりきり応答もありふれた広報手段のひとつになりました。
しかしメルボルンのエピソードは、木をキャラ立てする意図はなかったにもかかわらず、たまたま管理の利便性から個別にメールアドレスを割り振ったことで、「公園利用者と木との私的な会話」という形態のコミュニケーションチャネルが発生し、木の「人格」も後から芽生えた(木としてメールを送られたことで木として返さざるを得なくなった)のが面白いところです。
全文はこちら http://japanese.engadget.com/2015/07/13/treemail/