安倍「いいから早く」に野党硬化
★「いいから早くやれ」。皆さんも何かの作業を進めるにあたり、さまざまな問題が起きたとき、上司に事情を説明してもなお、前述のような取り付く島もない言い方で返されることがあるだろう。
それはその責任者によほど余裕がないか、進めることに後ろめたさがあるのでもう立ち止まれない場合だろう。そんなことが今、国会で起きている。
★「いいから早くやれ」と言うのは首相・安倍晋三。今週中に衆院安保法制特委で可決、そのまま衆院本会議でも可決させて参院に送致したい考えだ。
しかし、与党国対から見れば、野党からの対案も出ていて、公聴会も開いて話を聞く必要もある。
のみならず、丁寧に議論を尽くすと首相が言いながら、機は熟したと提案している方から採決を急ぐのでは示しがつかない。
「野党との駆け引きがあるが、こういう重要法案の場合はできるだけ野党の賛成も募りたいもの。丁寧に進めることで信頼関係を作りたいもの。『いいから早くやれ』ではまとまるものもまとまらない」(与党国対関係者)。
★野党国対も言う。「与党に焦りが見て取れるから、こちらも策を練ることになる。本来、来週いっぱい時間はあるはず。
24日の採決でも間に合うのに、急げ急げと言われると、態度は硬化するに決まっている」。
無論、与党幹部が、「重大局面」とか「いよいよだ」とあおるのは当然。そこを与党国対が押しとどめて採決を来週に延ばしたとするから与野党がテーブルにつけるのだ。
だが、最高司令官である首相があおるのは筋違い。政界関係者が言う。「官房長官と首相しかやったことがないんだからそれを安倍に求めても無理。周辺が考えないと」。
お友だちばかり集めた弊害がここにも表れているようだ。
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