先日『患者から早く死なせてほしいと言われたらどうしますか?』(金原出版)を上梓したばかりの医師・新城拓也氏も、
今までに患者から「お願いだから死なせてほしい」と切望された経験が何度もあると話し、こう続ける。
「『死にたいほどつらい』というのは、生きる意味が見出せないことや、
他人への負担感であることが医学の研究で示されています。人は元気だった頃と同じように過ごせなくなったとき、
生きていることの意味を見失ってしまうのです。私の経験では、自分でトイレへ行けなくなる状況に直面したとき、
老若男女を問わず精神的な苦痛がピークになると感じています。そして、自分のことが自分でできなくなることが苦痛になるだけではなく、
自分でできなくなったことを他人に手伝ってもらうことも、二重となって心のつらさになるのです」
どうして他人にモノを頼み、依存することに苦痛を感じてしまうのだろうか。
「一つの答えとして、幼い頃から『自分のことは自分でする』と教育されているからでしょうね。
できるだけ他人に頼らず、自分のことは自分でする、それが自立であるという信念です。
この信念を持ち続けて生きていくと、自分が弱ったときに自分のことが許せなくなります。
社会でも、医療でも、繰り返し問われ続けるこうした原則が
『こんな状態で生きていくのなら、死んだほうがよい。早く死なせてほしい』と患者を追い詰めてしまうのではないでしょうか」
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150708-00888745-sspa-soci