●「私は到底受け入れられません」
フランスメディアの記者と、百地教授のやり取りの概要は次の通り。
——日本が1930年代のような侵略戦争をしないと、どうして言えるのか?
「国連憲章51条は、個別的・集団的自衛権を認めています。もし国際紛争が発生した場合には国連に提訴し、国連が対処するという枠組みになったはずなんですが、安保理に拒否権が認められ、冷戦が進行する中でそれができない場合が出てくる。その時のために個別的・集団的自衛権は認められたんです。
我が国は国連加盟国の一員として、当然それを行使する権利がある。なぜ日本が権利を行使した場合だけ侵略に繋がるのでしょうか。普通の国並みに、国の安全と防衛を確保するために、集団的自衛権を行使するのは当然のことです。
我が国は『限定的行使』にとどまっています。フランスは集団的自衛権を全面的に行使することが認められていますが、そのフランスが侵略しないけれども、日本は侵略する可能性があるのではないか。これは明らかに日本という国に対する不信感であって、私は到底受け入れられません」