そうなると、財政破綻したときの影響は、ギリシャの比ではない。国民への負担は果てしないものになる。国債の保有者は国内銀行、その預金者であるから、国民負担である。政府が身軽になれば、国民にその負担はおよび、国民は大きな損失を被るのである。増税で取られるか、貸した金を踏み倒されるかの差であり、いずれにせよ、国民がほぼ全額負担することになる。いざとなれば、海外に負担を移転させられるギリシャよりも、日本の財政問題が深刻であり、踏み倒すという最終手段が存在しないだけに、より国民にとっては負担の大きな問題なのだ。
インフレによって、政府の借金の実質価値を目減りさせるということは、国民の債権の価値を目減りさせることであり、目に見えない借金踏み倒しに過ぎない。だから、負担はインフレという形で国民生活に及び民間経済は苦しくなる。
つまり、財政問題とは、負担の押し付け合いに過ぎない。ギリシャは、その押し付けに失敗した。日本は失敗すれば、政府財政が破綻し、成功すれば,民間経済、国民生活が苦しくなる。それだけのことなのだ。