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多くの小売店はどうすれば良いか、分からない状態にある。アテネ中心部プラカ地区の土産物店経営者は「来週、資本規制が
行われるといううわさを多く聞くので、顧客に現金での支払いを要請している。クレジットカードでの支払い分がすぐに入ってこない
だろうからだ」と話し、「現金で支払ってもらう見返りに値段を安くすると言っているのだが、多くの観光客は立ち去ってしまう。われわれ
は毎日一歩ずつ破滅に近づいている」と付け加えた。
外国の政府はギリシャへの渡航者に対し、流動性ひっ迫に備えて現金を持参するよう勧告している。英国の外務省はギリシャを
休暇旅行中の英国人を支援する構えだ。同省の報道官は先週、観光客を英国に帰還させる緊急計画を用意していると述べた。
同報道官は「最善の結果になることを望んでいるが、ユーロ圏で経済的な不透明感が増していることは明らかであり、緊急計画を
設けることが適切だ」と述べた。
アテネ大学のミカエル・グレザコス教授(金融)は、銀行からの現金引き出しおよびサービスへの支払いが急停止した場合、観光業が
立ち直るまでに何年もかかる可能性があると述べる。
同教授は「観光業と海運業以外に依然としてギリシャ経済に貢献し続けている業界はない」と述べ、「観光客、とりわけツアーでは
なく、個人旅行で来る観光客は支出額が大きい傾向にあり、銀行やクレジットカードが機能することを見越してやって来る。しかし、
彼らはギリシャに入国したとたん、問題に直面する。われわれは『最も基本的なサービスさえも提供できないので、おすすめできない』
と彼らに伝えている」と話した。