今や大学生3人に1人が「官製ローン」といわれる奨学金の受給者だ(文科省まとめ=2012年)。
大学卒業時の借金は平均295万5千円、大学院まで出ると674万2千円となる(同省同年まとめ)。
卒業後の返済額は、月に1万4千円が典型例だ。正規社員や公務員であれば驚く金額ではない。
だが薄給に泣く非正規労働者にとっては、腰が抜けるほど重い金額だ。非正規労働者の平均年収は168万円(国税庁による民間給与実態調査=2014年)。月収14万円である。
家賃を払い食べて行くのさえ困難な収入だ。毎月1万4千円の返済は無理である。奨学金は返済できなくなると延滞金がつく。取り立てもある。奨学金で学校を出た非正規労働者は、借金地獄にはまり込むのである。
労働者派遣法の改悪で非正規労働者は増える一方だ。貧困層を国の政策で作り出し自衛隊に送り込む。経済的徴兵制への道は着々とできている。