http://toyokeizai.net/articles/-/74394
「B型の人は、ワガママだよね」「A型なのに、何で雑なの?」といったことを、あなたも言われたことがないだろうか。
血液型を根拠にしたステレオタイプで性格を決めつけて、不愉快な思いをさせる「ブラッドタイプ(血液型)ハラスメント」。これを
問題視する声があがっていることが、読売新聞の医療サイト「ヨミドクター」で紹介されている。
ヨミドクターの記事によると、聖徳大学心理学科講師の山岡重行さんが、1999年、2005年、2009年に、首都圏の私立大学生
約3600人を対象に調査を行ったところ、血液型の性格診断で「不快な経験をしたことがある」と答えた学生が約3割いたという。
違法と評価される場合もある
その内容は、「別の血液型に見える」などの不快な言葉を受けた人が34%、「差別された・いじめられた」が23%、「性格を
決めつけられた」が17%だったそうだ。
血液型による性格診断は古くから行われてきたが、同僚や友人に「B型の人はワガママだ」などの言葉を投げかけて、不快な
思いをさせてしまった場合、どんな問題があるのだろうか。南川麻由子弁護士に聞いた。
「単に『血液型のことで嫌なことを言われ、不快な思いをさせられた』というだけでは、ただちに違法ということになるわけでは
ありません。
ただし、血液型を理由に不当な差別を受けたり、嫌がらせを継続的に受けたりした場合は別です。内容によっては、違法な
ものと評価される可能性もあるでしょう」
どんな場合に違法といえるだろうか。
「たとえば、血液型を理由に減給処分にされる、血液型が原因で上司から日常的にひどい嫌がらせをされる、といったことが
あれば、問題となるでしょうね。
血液型と性格を結びつける考え方は、日本独自のもので、実は科学的根拠は希薄だと言われています。また、血液型という
本人の努力では変えようのない事実を根拠に、人の性格や性質をステレオタイプに当てはめて高く評価したり低く評価したり
することは、いわば人を差別するという側面を持ちます」
相手が不快なら、ハラスメントになる
しかし、血液型で他人を判断する人は、悪意や悪気はあまりないのではないか。
「何の考えもなしに血液型で相手の性格を決めつけるような態度をとることが、結果的に相手の気持ちを傷つける場合もあります
よね。セクハラやパワハラにも同じことが言えるのですが、やったほうには悪気がなくても、相手が現に不快な思いをしているのなら、
ハラスメント(嫌がらせ)だと言われてしまう可能性はあります。
(以下略)