By ADAM THOMPSON 2015 年 6 月 25 日 18:40 JST
http://jp.wsj.com/articles/SB11274551645240514331704581069413826630394
【イングルウッド(米カリフォルニア州)】米カリフォルニア州で今月、「ハローキティ・スーパーキュート・フレンドシップ・フェスティバル」が
開かれたとき、カサンドラ・トリビーニョさんとラミロさん夫妻は会場の扉が開くとすぐ、「スパム」ブースに直行した。以前にやり残して
いたことがあったからだ。
カリフォルニア州フレズノからやってきた夫妻は、昨年秋にロサンゼルスで開催されたハローキティの巨大展覧会「ハローキティ・
コン2014」で、限定版のハローキティ・スパムむすびキットが売り切れで買えなかった。夫妻は今回、首尾よく20ドル(約2500円)で
このセットを手に入れた。この明るい黄色のキットの箱には、プラスチックのご飯の型2個とスパム(米ホーメルフーズが1937年に初めて
発売した豚肉を主原料とする缶詰)1缶が入っている。夫妻はこれ以外にも、旅費や入場券、商品の購入などに4000ドルほど
費やしたという。
グラフィック・アーチストのカサンドラさんは、自身を中程度のハローキティファンだと話す。「ハローキティの車は持っていない。ハロー
キティの婚約指輪は持っているが、せいぜいその程度。ハローキティのピンク色のウエディングドレスは持ってなかった」と言う。
今回のフォーラムはスパムとハローキティのコンビが長続きするかどうかを試す実験の場となった。「スパム」は1937年の発売以来、
80億缶が製造されている。フェイスブック上で1400万人近くのファンがいるハローキティは、サンリオのキャラクター商品として誕生
以来40年間にわたり高い人気を集め、さまざまな関連商品の売り上げが好調に推移している。
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この2つの組み合わせは2014年に始まった。サンリオの米子会社の従業員たちが、ハローキティの熱狂的なファンがハローキティ形
のスパムむすびを作るビデオのユーチューブ投稿を見つけた。日本生まれでハワイで大人気のスパムむすびは、握りずしのスパム
バージョンといったところで、魚の代わりに調理したスパムが乗っている。長方形のご飯の土台にスパムを乗せ、のりが巻かれてハロー
キティの体に見立てられている。顔もご飯でできていて、ひげと目にはのりが使われ、鼻はパプリカが使われている。
ロサンゼルス在住のシェフでサンリオのコンサルタントを務めるケイティー・チン氏は、花の形に切ったゆでたニンジンを自分の作る
ハローキティむすびに添えて、「ハワイ風」に仕上げるのが好きだ。「スパム」ブランドの製造元であるホーメルフーズでのプレゼン
テーションを前にチン氏はハローキティむすびを自分の姉妹の家で準備し、ホーメルの本社まで約2時間運転して持って行った。
特にアジアでは、この2つの商品のファン層が重なるのか、ホーメルの商品はよく売れた。両社の幹部は自分たちのカルチャーが
よく調和すると話す。
ホーメルはロサンゼルスでのコンベンション用に、スパムむすびキットを2400個注文した。このキティ・コンでは、一区画ほどもこの
キットを買い求める人の列ができたという。サンリオ米子会社のジャネット・スウ社長は、「これは当社の最も売れ筋商品だった。
在庫がたちまちなくなった」と話した。このキットは、米大手ネットオークションサイトのイーベイに最高100ドルで登場したほどだ。
http://si.wsj.net/public/res