どう考えても普通ではない。いじめ、パワハラは日常茶飯事、海外派遣された隊員の自殺率は国民平均の十数倍にのぼり、その裾野には数倍の「予備軍」がいる。安保法制は、この問題を抜きに語れない。
脱走する隊員たち
「身近に、心を病んで自衛隊病院に行く隊員がいても、『あ、また出たのか』という感じです。人が人と思われていない場所ですから当然といえば当然です。いじめは日常的で、私の知っているケースだと、監視用の双眼鏡をのぞいているところを思い切り殴られたり、巨大な金属製の懐中電灯で頭を殴られて血を流している隊員もいました。
海上自衛隊では、ストレスに耐えられず、時たま与えられる外出の機会に、そのまま帰って来なくなる『脱走』のケースも頻繁にあります。
これだけ隊員が精神的な負担を抱えていて、しかも彼らには戦場に行くような覚悟もない。そんな彼らが銃を持ち、他国の兵士と戦うことになるわけですから……」
元海上自衛隊の隊員は時折口を濁しながら本誌の取材に答え、最後にポツリとこうつけ加えた。このまま自衛隊を海外に派遣すると大変なことになりますよ。
安倍晋三総理は、野党の反発にも関わらず、強硬に安全保障関連法制の整備を進めている。
6月4日、与党、野党が参考人として衆院憲法審査会に招致した3人の憲法学者全員が、「法案は違憲」としたことを契機に、野党は激しく反発。
それでも安倍総理は異論を黙殺し、「千万人といえども我ゆかん」の姿勢を鮮明にする。6月8日には、G7サミットが開かれていたドイツでの記者会見でこう言った。
「今回の法整備にあたって、憲法解釈の基本的論理は全く変わっていない。憲法の基本的な論理は貫かれていると確信する」
今や安倍総理の頭の中には、一刻も早く安保法制を整え、自衛隊を海外へ派遣しようという思いしかない。
自衛隊を海の向こうに送り出し、「国益のための後方支援」と称して、「敵性国」と対峙させる。それこそが、日本の未来のあるべき姿だと信じて疑わないのだ。
しかし、安倍総理がいくら自衛隊を積極的に海外派遣し、米軍の後方支援に当たらせようとも、それは無謀というものではないだろうか。
以下ソース
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/43844#
http://gendai.ismedia.jp/mwimgs/a/c/594/img_acb20e7dc466b310a2b973df7788484a202537.jpg