1年間で10万人超増加 中国「エイズ蔓延」の仰天背景
2015年06月21日 10時00分
中国でエイズが深刻化している。
昨年の世界エイズデーで、世界保健機関 (WHO)から「男性同性愛者間のHIV感染が多発している」と名指しさ れた中国。
国家衛生計画生育委員会によると、HIV感染者とエイズ患者の数は昨年1年間で10万4000人増加。
性行為によるHIV感染者の約7 5%が同性愛者で、特に15~19歳の男性が最も多いとしている。
原因として、中国が抱える特殊事情があるとの指摘がなされる。
中国では15年前まで、同性愛は国が定める「精神疾病」とされていた。 一説には、中国の同性愛者は現在、7000万人ともいわれており、北京や上海にはゲイバーも少なくない。
中国事情に詳しいフリーライターの奥窪優木氏が話す。
「一人っ子政策と男児偏重のなか、産み分けによって中国の人口の男女比は 男に偏っていて、極度の男余り社会になっている。
さらに希少な若い女性たちは、ひと握りの金持ち男性による寡占状態にあり、性欲旺盛な若い男性が異性のセックスパートナーを見つけるのは至難の業。
そんな中『背に腹は代えられない』とばかりに、男同士の性交渉に及ぶ若者が少なくない。ゲイよりも実際はバイが多い印象です」
国家統計局が発表したデータによると、2014年末時点の中国本土の人 口は男性7億79万人、女性6億6703万人。
男女比にすると約105対 100である。
一方、世界の人口の男女比は約102対100程度であり、 中国の“男余り”が浮き彫りとなった。
1979年に始まった一人っ子政策世 代の人口に限れば、男女比はさらに偏っているとみられる。
一方、中国のポータルサイト「捜狐」に掲載された記事は、男性の「女性化」について別の要因を示している。
「中国では、未就学の女児の胸が膨らんだり初潮がきたりする性早熟症が問 題となっている。これは養殖魚やブロイラーに成長促進剤として投与され、 食品に残留した女性ホルモンの影響と考えられているが、男児がこうした食 品を取り続けた場合、心身が女性化するといわれる」
国家衛生計画生育委員会の関係者はエイズについて「10代の男子が興味本位に男性同士で性交渉を行って感染するケースが多い。全体の感染者で は、大都市圏、高学歴の男性が多い」と話している。
中国人ジャーナリストによると「中国では、一族の子孫を残すことが重要視され、男性が同性愛者であっても女性と結婚するケースが多い。
このため エイズ感染者の成人男性のうち8割が既婚者で、その妻が夫婦間の性行為によって感染したというデータもあります」という。
中国のHIV蔓延の背景にはさまざまな要因がありそうだ。
http://www.tokyo-sports.co.jp/nonsec/social/412546/