がん細胞だけを狙い撃ちして治療する微小カプセルを開発し、マウスの実験で効果を確認したと、東京大の片岡一則教授(高分子化学)らの研究チームが発表した。
正常な組織をほとんど傷つけることなく、がんを治療できる可能性があるという。
カプセルの直径は約55ナノ・メートル(ナノは10億分の1)で、中にガドリニウムという元素が入っている。ガドリニウムは、中性子線が当たると放射線を出し、近くのがん細胞を殺す効果がある。カプセルは、血管からがん組織にしみ出すように作られ、がんに集まる性質を持たせた。
研究チームは、カプセルを、がんを持つマウスに注射した。24時間後に、患部に向けて外から中性子線を当てると、患部に集まったカプセルからの放射線で、がんの増殖が大きく抑えられたという。
http://www.yomiuri.co.jp/science/20150621-OYT1T50068.html
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