「父は外交官、おじは警視総監」 信用させ同世代 ターゲット
「六本木のタワーマンションに住み、ポルシェを運転。父は外交官 で、おじは警視総監」。中央大学の男子学生は周囲にこう騙り、信用を得ていた。
一方、ターゲットにされたのも同世代の学生だった。
「知人の会社の資金繰りが苦しくなり、30万円貸してほしい。40万円にして返すから」。
男子学生から平成25年12月にLINEで依頼を受けた慶応大学に通う男性(22)。
この数カ月前に学生イベントで知り合い仲良くなった。
男子学生から「会社を経営してい て、大企業の社長と仲が良い」「親は金持ち」などと聞かされていた。
すっかり信用していた男性は、疑問を挟まずに応じた。
しかし、約束の期日を過ぎても返金されず、その後も事態が打開することはなかった。
訴訟を考えていることを伝えると、「恐喝にあたるからあなたを訴える。おじさんが警視総監だからいつでも逮捕できるよ」と脅されたという。
約125万円の被害に遭った女子学生も男子学生とは同じ学生イベントで知り合った。
男子学生から「1年で7億円稼いだ」「会社は東京・汐留にあり、資本金は9990万円。社員が61名いる」などと聞かされていた。
ただ、会社のホームページがないと指摘すると「日本の検索エンジンからは見られない。海外専用の取引会社だから」とはぐらかされたという。
産経新聞の取材では、男子学生の会社は登記はなく、住所地はレンタルオフィスだった。住居地も六本木ではな かった。
慶応大の男性によると、男子学生から他にも10人以上の学生が同様の話を持ちかけられたといい、「金が戻ってくるよりも刑事罰を受けてほしい。自分のやったことがどれだけ悪かったか知るべきだ」と訴えた。
http://www.sankei.com/affairs/news/150621/afr1506210008-n1.html