「イケアは空気が大嫌い」 梱包の効率化で売上増目指す #1

1番組の途中ですがアフィサイトへの転載は禁止です:2015/06/19(金) 06:00:37.11 ID:SEmPYh9O

 【エルムフルト(スウェーデン)】スウェーデンの家具大手イケアにとって、数センチメートルの違いがトラック1台分の違いになることも
ある。製品を微調整したり全面的な見直しを行うことで経費を削減してきたイケアは今、売上増を目指して細部に注目。既に
過剰と言える効率化のための取り組みをさらに進めている。

 ペーテル・アグネフィエル最高経営責任者(CEO)はインタビューに応じ、「われわれのバリューチェーン(事業の価値連鎖)の中で
何の役にも立たないコストを調整している」と述べた。インタビューはイケア1号店が誕生した人口1万6000人の当地で行われた。

 イケアは2020年までに500億ユーロ(約6兆9950億円)の売上高を達成するという意欲的な目標を掲げている。2014年8月期
の売上高と比較すると74%増ということになり、年平均では10%弱の増加率が必要となる。14年8月期の売上高増加率は
前年比3%で、為替変動の影響を調整したあとでも5.9%だった。

 イケアはインド進出を含め新規出店を進めるほか、よりよい製品をこれまでより安い価格で提供することでインターネット通販の
拡大や顧客増を狙っている。

 イケアは11年、「ビュースタ」シリーズのダイニングテーブルの脚の内部を空洞にすることで重量と原材料コストをカット、販売価格
を279ユーロから199ユーロに引き下げた。12年には「テクストゥール」シリーズの卓上ランプの部品数を33から9に減らし、34%の
値下げを実施。梱包重量は28%減少し、荷役台1台に積める製品数は80から128に増えた。

 梱包の効率化とそれに伴う輸送コストの削減はイケアが手頃な価格を維持するために欠かせない要素だ。アグネフィエル氏は
「イケアは空気が大嫌い」と話す。家具と一緒に空気を運びたくないという意味で、マントラのごとく全社で唱えられている。

 10年には「エークトルプ」シリーズのソファーを組み立て式に変更、ひじ当て部分を取り外し可能にして、背もたれ部分は蝶番で
連結した。これによって梱包時の大きさは50%縮小、1年間でトラック7477台分のスペースを効率化した。製品の価格も14%
引き下げた。「ユーレス」シリーズの回転式オフィスチェアも土台部分を組み立て式に変更した。この設計の変更によって年間で
120万ユーロのコストを削減することができた。

 価格は下がったものの、家具の組み立てにさらに長い時間をかけなければなくなった顧客のイケア離れが起きるリスクはある。
イケアの迷路のような店舗でのショッピング中や複雑な家具の組み立て中にイライラしたカップルがケンカしたという話があるほどだ。

 梱包担当マネージャーのアラン・ディックナー氏はイケアが家具を組み立て式にして、製品を平らに梱包する「フラットパッケージ」
について、「分解しすぎて実際に壊してしまった製品もある」と語った。「常にバランスを取らなければならない」イケアは既に店頭に
並べられている製品を変更する代わりに、始めから梱包や製造過程を念頭に置いた製品の設計を進めている。ディックナー氏は
「優れたデザイナー、経験を積んだデザイナーはそれを重々承知している」と話す。

 ディックナー氏によると、デザイナーは最適なサイズと形状を計算するソフトウエアを使うことで、輸送コストが高すぎると判断された
たけで設計を調整したりアイデアを断念することがないようにしているという。
http://jp.wsj.com/articles/SB12208919310003153678304581055040530840316

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