ギリシャ支援合意見えず、チプラス首相「債権団は面目つぶし狙い」と非難
追加融資の条件を拒否する姿勢に、マーケットはデフォルトを予測
[アテネ/ベルリン 16日 ロイター] - ギリシャのチプラス首相は16日、国際債権団が政治的な動機から一段の緊縮策を
要求しているとして、ギリシャ政権に「恥をかかせるため」の試みだと非難。債務不履行(デフォルト)の危機が月末に迫る中、
支援の条件となる緊縮策の受け入れを依然として拒む姿勢を示した。
これを受けて金融市場では懸念が広がり、欧州株式は一時2月以来の安値に下落した。
チプラス首相は、低所得層に打撃を与える年金削減や増税の要求には政治的な動機があり、「ギリシャ政府だけでなく、
国民すべてに恥をかかせる」狙いがあると指摘。
欧州中央銀行(ECB)や欧州連合(EU)が債務軽減を認めないため、ギリシャの財政状況を追い詰めているとも批判した。
一方、欧州委員会のユンケル委員長は16日、ギリシャ支援協議で欧州委が行った提案についてチプラス首相が恣意的に
歪曲してギリシャ国民に伝えていると述べ、首相を非難した。
ユンケル氏は、欧州委として医薬品や電気料金に課す付加価値税(VAT)の引き上げに賛成しておらず、防衛支出の
「控えめな削減」など他の方法で財政健全化を図るよう提案してきたと語った。
http://www.newsweekjapan.jp/stories/business/2015/06/post-3703.php