ギリシャ首相譲らず、IMFの「犯罪」とECBの「窒息」戦略非難
2015/06/16 23:15 JST
(ブルームバーグ):ギリシャのチプラス首相は債権団に対し決闘状を突きつけた。ギリシャを苦境に陥れた「犯罪の」責任は
国際通貨基金(IMF)にあると非難、欧州中央銀行(ECB)はギリシャを窒息させようとしていると責め立て、債権者側
機関と真っ向から対決する姿勢を鮮明にした。
16日アテネで議員らに語ったチプラス首相は、救済をめぐる債権団との対立で譲歩する気配は一切見せず、緊縮に固執
するIMFと「金融で窒息させる」戦術を取るECBを非難した。
「現在ギリシャが置かれている状況では、緊縮措置の厳しさについてはIMFの意見が通り、ギリシャ債務の持続可能性に
ついての議論を拒否するという点では欧州連合(EU)の立場が尊重される」と語った。
チプラス首相の演説で、IMF、ECB、欧州委員会という債権者機関との隔たりをギリシャ政府側から近く埋めていくとの
希望が消えつつあることが明らかになった。ユーロ圏のギリシャ救済プログラムが失効する30日まで2週間を残すばかりとなり、
解決の期待は18日のユーロ圏財務相会談と25、26日のEU首脳会議にかかる。
チプラス首相の演説と同じころ、ベルリンで会見していたドイツのメルケル首相は「残念ながら」新しいニュースはほとんど
ないが、膠着(こうちゃく) 打開に向け18日のユーロ圏財務相会合に期待していると話した。ただ、救済プログラムの条件を
満たすような共同提案が出されない限り、決定は無理だとも述べた。
「債権者側の3機関がギリシャと解決策を見つけられるよう支援することに全力を注いでいる。それが私の仕事だ。ギリシャを
ユーロ圏にとどめるためにできることは全てしたい」と語った。
チプラス首相は演説で、ギリシャの傷をさらに深めるような条件に固執するのはユーロ圏の将来のためにならないとほのめかした。
「われわれは最終段階に入ろうとしている。真の交渉は今始まると言える」と述べた。
原題:Tsipras Goads ‘Criminal’ IMF as Merkel Focuses on Greek Solution(抜粋)
更新日時: 2015/06/16 23:15 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NQ1GFT6K50Y401.html