イラっとするのは日本人だけ?「意識高い系」と「かまってちゃん」
「意識高い系」は、自分の生活や取り組んでいること、容姿、経験等を周囲に自慢げにアピールし、注目や賞賛を得ようとする人々、
「かまってちゃん」は、ネガティブ発言を繰り返し、皆の同情や関心を惹こうとする人々を指す言葉です。
この「意識高い系」「かまってちゃん」共に、ちょっとネガティブな文脈で使われる事が多いのですが、
元々は、ネットスラングとして数年前に登場した新しい言葉です。
現在では、検索で調べると、膨大な量の検索結果が表示されるほど一般的なワードになりつつあります。
「意識高い系」「かまってちゃん」が注目を浴び、揶揄される背景には、何があるのでしょうか?
国立研究開発法人国立成育医療研究センターの小西博士(心理学)に分析していただきました。
◆誰でもメディアをもち、情報発信出来る時代
インターネットの普及により、個人が広く一般に情報発信できるようになりました。
自分のホームページを立ち上げ、幾つものSNSでアカウントをもつ等方法は多様化しています。
とにかく他者の関心を惹き、認めて欲しいという、承認欲求の高い「意識高い系」「かまってちゃん」にとっては、絶好の環境です。
「意識高い系」はセルフプロデュースの為に、「かまってちゃん」は自分の存在を確認するために、日々大量の情報を発信し続けるのです。
このインターネット環境の特徴の一つは、情報の受け手の多くが、情報発信者を、直接的には深く知らないと言う事です。
この点も、「意識高い系」「かまってちゃん」にとっては好都合。ネット空間は、「意識高い系」にとっては思う存分「理想の自分」を演じる舞台、「かまってちゃん」は人と繋がる感覚を得る場となるのです。
◆何故、「意識高い系」「かまってちゃん」はネガティブに捉えられる
日本人は人前で自分をアピールすることを疎む傾向が強い国民性をもっています。
「出る杭は打たれる」のことわざのとおり、人と違うことをしたり、目立ったりすると、非難される事が多いお国柄です。
「意識高い系」や「かまってちゃん」が、人から注目されようとするのを見て、イラっとする人が多いのは、自己主張をせず秩序を守る事を美徳とする日本人のDNAが、
気づかないうちに、反応しているせいかもしれません。
◆「意識高い系」はグローバルスタンダード?
最近では、日本人の中にも、自己主張の強い人が増えてきていますし、社会もある程度、自己主張の強い人達に対する許容範囲が広くなってきたようです。
とはいえ、欧米社会と比較すると、まだまだのようです。「日本人は自己主張が下手」というのは、よく外国の方にいただく日本人評です。
欧米社会では、特にビジネスの場で、自分が有能であることをどんどんアピールする事は、普通のことです。
日本人のように、謙遜の美徳を重視していたら、競争に負けてしまいます。そういう意味では、グローバルスタンダードは、寧ろ「意識高い系」。
今後日本人が国際競争で、生き残る為には、「意識高い系」化が必要かもしれません。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160616-00000001-mocosuku-hlth