アワビなど密漁 佐賀地裁、元船長ら６人に有罪
長崎県松浦市沖などで組織的に密漁を繰り返していたとして、漁業法違反と水産資源保護法違反の罪に問われた元船長前田光幸被告（６４）＝唐津市八幡町＝に佐賀地裁唐津支部は１０日、懲役１年６月、罰金１００万円、執行猶予３年（求刑懲役１年６月、罰金１００万円）の判決を言い渡した。
密漁に加わった唐津市内の５０～７０代の船員の男４人に懲役１年２月、罰金５０万円、見張りなどをしていた前田被告の妻（６１）は懲役１年、いずれも執行猶予３年とした。
志賀勝裁判官は判決理由で、６人が乱獲防止のため規制されている簡易潜水器を使い５年ほど前から夜間に密漁を繰り返しており、「職業的、常習的で悪質。多額の費用を掛けて水産資源の維持保全に努める漁協も厳罰を望んでいる」と指摘。漁場の決定や収益分配などをしていた前田被告は「首謀者として必要不可欠な役割だった」とした。
判決によると、６人は共謀して２月下旬、松浦市でアワビやサザエなど約３５０キロ（２７万円相当）を密漁した。唐津海上保安部の捜査で、昨年から１年余りの間に８千万円相当の魚介類を水揚げしていたことが明らかになっている。
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