事件とは無関係なのに大阪府警北堺署に誤認逮捕された男性が、およそ1200万円の国家賠償を求めていた裁判の
判決があり、大阪地裁は、国と大阪府におよそ620万円の支払いを命じました。
訴えを起こしていた男性(44)はおととし、堺市内のガソリンスタンドで、盗んだカードを使って給油したとして北堺署に逮捕
・起訴されました。ところが、男性の弁護人の調査で、ガソリンスタンドの防犯カメラ映像の時刻のずれなどから男性にアリバイ
があることが判明。男性は釈放され、検察も起訴を取り消しました。男性側は、「85日間も勾留され、精神的損害を
受けた」。取調べでも人格権を侵害する発言で自供を迫られたと主張。去年2月、国と大阪府を相手におよそ1200万円
の国家賠償を求める訴えを起こしました。判決で大阪地裁は、「通常要求される水準の捜査を怠り、起訴したことは違法な
行為だ」と認定。国と府に合わせておよそ620万円の支払いを命じる判決を言い渡しました。判決後、代理人弁護士は
会見を開き、「賠償額はまだ不十分だが、男性の主張がおおむね認められた妥当な判決だ」と評価しました。「『その汚れた
手で子どもの頭をなでてあげられますか』取調べで捜査員が男性に向けて吐いたそんな暴言も、男性の人格権を侵害する
違法捜査だ」と裁判所は認定しました。捜査機関は今後、二度と誤認逮捕を生まないという徹底した姿勢が求められます。
http://news.goo.ne.jp/article/abc/region/abc-20150615012.html